第27回 同窓会総会・集談会・懇親会の開催
27th.Role of universities and public health practice

公衆衛生学教室活動レポート

第27回 同窓会総会・集談会・懇親会の開催

 2018年2月10日(土)に、大阪大学医学部公衆衛生学教室の第27回同窓会総会・集談会・懇 親会を開催いたしました。総会は、最先端医療イノベーションセンターマルチメディアホー ルで髙山先生を議長、今野先生を司会として執り行われ、近年の同窓会員の活動や本教室の 動向に関する報告、会計・監査報告および新会長就任の承認などが行われました。集談会で は「大阪から世界に発信する公衆衛生」をテーマに2人の先生にご講演頂きました。講演1で は、WHO執行理事の中谷比呂樹先生が演者として、講演2では大阪府健康医療部の藤井部長に 演者としてご登壇いただきました。その後、大阪大学銀杏会館ミネルバにて懇親会が行われ、 世話人等の先生方のスピーチや大学院生の自己紹介などがありました。
 本総会・集談会・懇親会には、全国より80名近くの先生方にご参加いただき、盛会のうち に終えることができました。


ご挨拶

 同窓会会員の皆さまにおかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 この度の同窓会総会では、9年間に亘り会長を務められた小澤秀樹先生が御勇退され、高鳥毛敏雄先生が次の会長として承認されました。今回27回目を迎えた集談会は、その高鳥毛新会長の元で、「大阪から世界に発信する公衆衛生」をテーマに開催されました。これまで教室が培ってきた大阪府での公衆衛生活動や現在の大阪がん循環器病予防センター循環器部門と共に昭和30年代後半から50年以上継続してきた地域(八尾市、秋田県井川町)、35年以上継続してきた地域(茨城県筑西市)における生活習慣病予防対策、疫学研究の成果が、今、世界で特に高齢化が急速に進みつつあるアジア諸国においても必要とされています。地域に生き、世界に伸びる新しい公衆衛生学の時代です。
教室員は現在、教員10人(特任5人)、大学院生60人(博士46人、修士14人)、研究生16人、非常勤教員6人、招へい教員19人、特任研究員7人の規模に拡大し、次代の公衆衛生学を担う多数の人材を育成、輩出しています。今後、同循環器部門や中核市となる八尾市の保健所と協働し、大阪府、大阪市、大阪安全基盤研究所、大阪に移転予定の国立栄養・健康研究所との連携を一層深め、生活習慣病の予防、健康大阪21、重症化予防、医療費適正化等、公衆衛生のさらなるエビデンスを構築出来るよう、鋭意努力して参ります。

大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学 磯 博康

参加レポート

⼤阪⼤学⼤学院医学系研究科公衆衛⽣学博⼠課程 廣瀬園⼦

 WHO執行理事で、大阪大学特任教授の中谷比呂樹先生からは、国際保健の政策形成に WHOが果たす役割についてご講演を頂きました。健康問題の課題解決には、グローバル の視点に立った連携が不可欠であり、そのプレイヤーも国連やODAから官民パートナー シップへ移行しつつあること、新しいWHOの事務局長が非医師であるように、様々な背 景を持つ人々が共働することの必要性について学ぶ機会となりました。
 公衆衛生学教室では2015年から院生をインターンとしてWHO本部に派遣しています。 私は2016年に非感染症疾患部門に勤務し、現在も学術研究へのアドバイスを頂いていま す。今後もWHOをはじめ世界の研究者と共に生活習慣病の情報共有と課題解決に貢献し ていきたいと考えています。



⼤阪⼤学⼤学院医学系研究科公衆衛⽣学博⼠課程 岡⽥知佳

 集談会では、藤井睦子大阪府健康医療部長から、現在の大阪府の健康医療行政、健康 医療をめぐる課題、そして保健医療ビジョンについてのご講演をいただきました。特に 印象深かった点は、エビデンスに基づく政策の重要性であり、府民に対するエビデンス、 事業参画に関するエビデンス、継続可能なエビデンスという主に3つのエビデンスが求 められていることでした。
 大阪大学公衆衛生学教室では、地域に根差した予防活動と研究を継続するとともに、 大阪府の関係機関と連携しながらアカデミアとしての役割を果たしています。自治体に おける効率的な保健事業の実施と医療費適正化に向けて、大学等の研究機関は、健診情 報等のデータを分析し、府民の健康づくり活動に寄与できる役割が大きいことを改めて 考えた貴重な時間でした。

同窓会総会

議長 : 髙山 佳洋
司会 : 今野 弘規

  • 受賞報告
    ◯平成27年度日本医師会医学賞 磯 博康
    ◯第68回保健文化賞 佐用町南光歯科保健センター(代表;新庄 文明)
    ◯従四位瑞宝小綬章 故・嶋本 喬
    ◯瑞宝単光章「へき地保健衛生功労」 岸 マサ(秋田県井川町保健師)
  • 物故者黙とう
  • 小澤秀樹会長から物故者のご紹介
  • 同窓会活動報告と会計・監査報告(承認)、庶務報告
  • 小澤秀樹会長から高鳥毛敏雄新会長への会長交代(承認)
  • 新しい役員(世話人・監事)の紹介と活動計画の報告
  • 公衆衛生学教室の教員の異動及び教室員数報告
  • 平成28年日本公衆衛生学会総会開催報告
  • 磯先生の日本公衆衛生学会理事長就任報告
  • 公衆衛生学教室に関する最新の研究報告

集談会 テーマ:大阪から世界に発信する公衆衛生

講演1 : 「世界の公衆衛生のイマ:世界基準での公衆衛生の形成と実践」
演 者 : 中谷 比呂樹先生(WHO執行理事・慶応大学兼大阪大学特任教授)
座 長 : 磯 博康(大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学)
講演2 : 「大阪から発信する健康医療ビジョン」
演 者 : 藤井 睦子(大阪府健康医療部・部長)
座 長 : 高鳥毛 敏雄(関西大学社会安全部)

懇親会の様子

同窓会会長挨拶 : 高鳥毛 敏雄先生
世話人代表挨拶 : 磯 博康先生
乾杯のご発声  : 橋本 博先生
スピーチ    : 富永 祐民先生、新庄 文明先生、橋本 博先生、髙山 佳洋先生、西 信雄先生、本庄 かおり先生
自己紹介    : 教室の大学院生・研究生(約20名)
締めのご挨拶  : 小澤 秀樹先生
一本締め    : 高鳥毛 敏雄会長

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動画配信

磯教授からのメッセージ
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